和装のおしゃれに欠かせない草履。素敵に履きこなしたいけれど、

「鼻緒が痛くなるのが心配…」というお声は、フリモにも、とても多く寄せられます。

実は、こういうお悩み、本当に多いんです。

でも、大丈夫。

いくつかのポイントを押さえるだけで、草履はぐっと快適な履物になります。

 

▼この記事を読めば、すべて解決できます!▼

 ● そもそも草履が痛くなる「本当の理由」
 ● 誰でも簡単にできる「痛み予防策」
 ● 美しくて疲れない「正しい歩き方のコツ」
 ● もしもの時の「応急処置マニュアル」

 

今回は、これらのポイントを一つひとつ丁寧に解説していきますね。
もう痛みに悩まないために、一緒に解決策を見ていきましょう!


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まずは原因を知ることから。あなたの草履が“痛い”5つの理由

痛い、と一言で言っても、その原因は人それぞれ。

まずはご自身の状況と照らし合わせながら、痛みの根本原因を探っていきましょう。

原因が分かれば、正しい対策が見えてきますよ。

 

1-1.【選び方】そもそも草履が足に合っていないかも?

一番最初に考えられるのが、草履そのものが足に合っていない可能性です。

特にサイズ選びには、洋靴とは違う、和装ならではのポイントがあります。

「自分の足のサイズは24cmだから…」と洋靴と同じ感覚で選んでしまうと、小さすぎたり大きすぎたりすることも。

草履の場合、かかとが台から1cmほど出るのが、美しく、そして歩きやすい正しいサイズとされています。

これは、着物の裾を踏んでしまうのを防ぐ、昔ながらの知恵でもあるんですよ。

 

1-2.【履き方】ぎゅっと奥まで履き込むのはNG!

「脱げないように」と、つい鼻緒の奥まで足をぎゅっと深く入れていませんか?

実はこれが、痛みを引き起こす一番の原因かもしれません。


指の付け根まで深く履き込んでしまうと、歩くたびに鼻緒が強く食い込み、摩擦で皮がむけてしまいます。

草履は、指先で軽やかにひっかけて履くのが正解なんです。

 

1-3.【歩き方】洋服のときのクセが出ていませんか?

私たちは毎日、靴を履いて生活しているので、その歩き方がすっかり体に染み付いています。

かかとから着地して、つま先で地面を蹴る、あの歩き方ですね。

 

しかし、その感覚のまま草履を履くと、指先に不要な力がかかり、鼻緒を無理やり引っ張る形になってしまいます。

これも、痛みを引き起こす大きな原因の一つです。

 

痛くならない歩き方の参考動画

少し補足しますと、私たちが慣れている洋靴の歩き方が、つま先で力強く地面を「蹴って」前に進む、いわば”前進”の歩き方だとします。

それに対して、草履の歩き方は、足をすっと持ち上げて、体の少し前に「そっと置く」、いわば”運搬”の歩き方なんです。

以下は、歩き方の参考動画です。

この「蹴る」という一連の動作がなくなるだけで、前に進むための推進力が不要になり、指先や鼻緒にかかる負担が驚くほど軽くなりますよ。

歩き方の意識を「蹴る」から「置く」に変えてみること。これが、草履を楽に履きこなすための、大きな第一歩です。

 

1-4.【草履の状態】おろしたてで、まだ少し緊張気味

革靴と一緒で、おろしたての草履はまだ硬く、履く人の足に馴染んでいません。

特に鼻緒は、最初は少しきつめに作られていることが多く、これが足の甲や指の間を圧迫してしまうことがあります。

いわば、草履がまだ少し緊張している状態。履く前に少しだけ「慣らし」をしてあげる優しさが大切になります。

 

1-5.【足の個性】あなたの足はどのタイプ?

私たちの足の形が一人ひとり違うように、痛みが出やすいポイントも人それぞれです。

例えば、甲高さんは鼻緒が甲に当たって圧迫されやすく、幅広さんは小指が台の側面にあたって擦れやすい傾向があります。

また、外反母趾の傾向がある方は、親指の付け根に負担がかかりやすいかもしれません。

 

ご自身の足の個性を知ることも、痛みを回避するための重要な一歩になります。

 

【購入時&履く前】痛みを9割防ぐ!プロが教える準備のすべて

草履の痛みは、実はお出かけ前にその9割を防ぐことができる、と言っても過言ではありません。

ここでは、「選び方」から「履く直前の準備」まで、プロも実践する準備のすべてをご紹介します。

 

↓選び方やバッグとの合わせ方の参考にどうぞ↓

関連記事振袖の草履選び!サイズはどう選べばいい?バッグとの合わせ方は?

 

2-1. 最重要!痛くない草履の「選び方」完全ガイド

 

▼試着で見るべき3つのポイント▼

 ● かかとの出方:かかとが台から1cmほど、きれいに出るか確認しましょう。
 ● 前坪の余裕:親指と人差し指の間にある鼻緒の付け根(前坪)と、指の股の間に、少し隙間(5mm程度)ができるかチェック。ここが詰まっていると、必ずと言っていいほど痛くなります。
 ● 鼻緒の当たり方:鼻緒全体が、足の甲に優しくフィットするかどうか。特定の場所だけが強く当たっていないか確認しましょう。

 

▼初心者さんにおすすめの素材は?▼

 ● 鼻緒:正絹やビロードなど、柔らかく、ふっくらと太さのあるものがおすすめです。肌あたりが優しく、食い込みにくいです。
 ● 台:コルクやEVAなど、適度なクッション性のある素材が疲れにくいでしょう。

 

▼お店の人への「魔法の聞き方」▼

試着の際に、恥ずかしがらずにプロに相談するのが一番の近道です。こんな風に伝えてみましょう。

 

「振袖に合わせる草履を探しています。草履に慣れていなくて、以前痛くなった経験があるので、長時間履いても疲れにくいものを一緒に選んでいただけますか?」

 

こうして具体的な不安を伝えることで、店員さんもあなたの足に合った一足を真剣に提案してくれますよ。

 

2-2. おろしたての草履を“育てる”鼻緒の慣らし方

買ってきたばかりの草履は、履く前に少しだけ「慣らし」をしてあげましょう。

 

目安①:前坪(指の間)が、ふっくらと柔らかくなるまで

まず、親指と人差し指の間に当たる前坪を、指で優しく揉みほぐします。

最初は硬く感じられると思いますが、揉んでいるうちに、だんだんと指に馴染むような、しなやかな感触に変わってきます。

新品の革製品が、少しだけ手に馴染んだような柔らかさになったら、最初のステップは完了です。

 

目安②:鼻緒と足の甲の間に、指が一本すっと入るくらいの余裕ができるまで

次に、鼻緒全体を優しく広げ、高さを出してあげましょう。

実際に足を履き入れてみて、足の甲と鼻緒の間に、すっと指が一本スムーズに入るくらいの隙間ができれば理想的です。

きつすぎず、かといって歩くたびにパカパカと浮いてしまうほど緩すぎない、絶妙なフィット感を目指しましょう。

 

時間にして、5分から10分程度で、この状態になることが多いです。

さらに万全を期すなら、お出かけの2~3日前に、清潔な足袋を履いて、お家の中を10~15分ほど歩いてみるのも、非常に効果的な「慣らし」になります。

大切なのは、草履の”緊張”をほぐしてあげること。このひと手間で、当日の快適さが格段に変わりますから、ぜひ試してみてくださいね。

 

 

2-3. 履く当日にできる簡単予防策

最近は、草履の痛みを和らげる便利なグッズもたくさんあります。代表的なものが以下の2つです。

 ● ベビーパウダーやワセリン:鼻緒が当たる指の間や甲に、ベビーパウダーをはたいたり、ワセリンを薄く塗ったりしておくと、摩擦が軽減されて皮むけを防げます。
 ● 絆創膏の「効果的な貼り方」:痛くなりそうな場所に予防的に貼っておきましょう。この時、シワができないように少し引っ張りながら貼るのがポイント。剥がれにくさが格段にアップします。

 

どちらも、和装小物店やオンラインストアなどで、数百円からと手頃な価格で手軽に購入できます。

痛みが不安な方は、レンタル・購入する店舗で相談するか、こうしたグッズを事前にお守り代わりに用意しておくと、当日の安心感がぐっと高まりますよ。

 

【歩き方・所作編】美しく、そして疲れない。和装美人の立ち居振る舞い

正しい歩き方や所作を身につければ、体に負担がかからないだけでなく、その姿はっとするほど美しく見えます。ぜひマスターして、周りと差をつけましょう。

 

3-1. 基本の歩き方レッスン

▼重心と姿勢の作り方▼
まず、頭のてっぺんから一本の糸で、すーっと真上に吊られているようなイメージで背筋を伸ばします。

この時、かかとではなく、親指の付け根あたりに重心を置くのがポイント。ほんの少し、前のめりかな?と感じるくらいが正解です。

 

▼OKな歩き方 vs NGな歩き方▼

 ● NGな歩き方:「ペタペタ歩き」「引きずり歩き」は、見た目にも美しくなく、足に余計な負担をかけます。かかとから着地するのもやめましょう。
 ● OKな歩き方:歩幅はいつもの半分を意識。内股気味に、すっ、すっ、と足を前に「置く」ような感覚で歩きます。膝から下をまっすぐ前に出すイメージです。

 

3-2. これだけは押さえたい!シーン別・美しい所作

 ● 階段の上り下り:体を少し斜めにし、つま先からそっと段に乗せると、裾を踏まずに済みます。降りる時も同様に、後ろ足からゆっくりと。
 ● 椅子への座り方:まず、帯が背もたれに潰れないように浅めに腰掛けます。振袖のたもとは、汚れないように膝の上で重ねておきましょう。
 ● 車の乗り降り:まずシートにお尻から座り、次に揃えた両足を車内に入れると、着崩れせずスムーズです。
 ● 物を拾うとき:片手で振袖のたもとを押さえながら、もう片方の手で拾います。腰を落とすときも、背筋は伸ばしたままを意識すると優雅に見えます。

↓階段を降りるときの歩き方の参考↓

 

もしも痛くなったら…場所別「緊急レスキュー術」と「帰宅後ケア」

どんなに準備をしても、体調などによって急に痛くなってしまうことも。

そんな「もしも」の時のために、即効性のある応急処置と、帰宅後のケア方法を知っておきましょう。

 

4-1.【痛む場所別】即効応急処置マニュアル

▼親指と人差し指の間が痛いとき▼
最も多いのがこのパターン。手持ちのティッシュを小さく固くこより状にして、前坪と指の間に挟むだけで、かなり楽になります。絆創膏を貼るのも有効です。

▼足の甲が圧迫されるとき▼
鼻緒がきついと感じる時。一度草履を脱ぎ、鼻緒をもう一度外側に少し広げ、高さを出してあげましょう。履き方を少し浅くするだけでも改善します。

▼小指の側面がすれるとき▼
草履の台の角に小指が当たっている証拠。絆創膏で保護するのが一番です。

 

4-2. 頑張った足にご褒美を。専門家が教える帰宅後ケア

 ● お風呂でマッサージ:湯船の中で、足の指を一本一本優しく回したり、足裏を軽く押したりして、血行を促進してあげましょう。
 ● 痛みが強い時のアイシング:炎症を起こして熱を持っている場合は、冷たいタオルなどで10〜15分ほど冷やすと、痛みが和らぎます。
 ● 足枕でリラックス:寝る時に、クッションや畳んだ座布団などで足を心臓より少し高くしてあげると、むくみが取れて翌朝すっきりしますよ。

 

【もっと知りたい!草履のQ&A】素朴なギモンに答えます

ここでは、「痛み」以外に、皆さんが抱きがちな草履にまつわる素朴な疑問にお答えしていきます。

Q1. なんでかかとは1cmくらい出すのが良いの?

A. 一番の理由は、長い着物の裾を踏んづけて着崩れするのを防ぐためです。

また、重心が自然と前にかかるため歩きやすくなる、という実用的な面と、足が台から少しはみ出している方が、見た目に「粋」で格好良いとされる、日本の独特な美意識の表れでもあります。

Q2. 合わせる「足袋」の選び方も関係ある?

A. はい、大いに関係あります。足袋のサイズが合っていないと、縫い目が指に当たって痛みが出ることがあります。

また、最近では底にクッションが入った「クッション足袋」など、疲れにくい工夫がされたものもありますので、検討してみるのも良いでしょう。

Q3. 雨の日はどうしたらいい?

A. 透明なビニールでできた「草履カバー」という便利なものがあります。

これを草履の上から被せることで、雨や泥から守ることができます。一つ持っておくと、急な天候の変化にも安心ですよ。

Q4. 草履と下駄って、何が違うの?

A. 一番の違いは「TPO」です。草履は、革や布、ビニールなどで作られ、主にフォーマル〜セミフォーマルな場面で履きます。

振袖に合わせるのはこちらですね。一方、下駄は木でできており、浴衣などに合わせるカジュアルな履物です。

Q5. 履き終わった後のお手入れや保管方法は?

A. 履いた後は、乾いた柔らかい布で、足の裏が触れていた台の部分や、鼻緒の汚れを優しく拭き取ります。

その後、風通しの良い日陰で湿気を飛ばしてから、箱などに入れて保管しましょう。鼻緒が潰れないように、キーパーなどを入れておくと形が綺麗に保てます。

 

成人式の振袖と相性の良い草履を選ぼう

成人式の振袖の魅力を最大限に引き出すためには、草履にもこだわらなければなりません。

現代は伝統的な古典柄の草履の他、厚底のモダンなデザインや、鼻緒に刺繍が施された可愛らしいデザインも増えています。

 

自分の好みはもちろん、振袖のテイストや色に合わせて相性の良い草履を選ぶようにしましょう。

振袖に合わせる人気の草履を知りたいときは、振袖スタイルを掲載しているWebサイトをチェックするのがおすすめです。

 

振袖比較サイト「furimo(フリモ)」では、全国600店以上で取り扱っている振袖を画像付きで紹介しています。

画像には振袖にコーディネートされた多種多様な草履も掲載されているので、振袖に似合う一足を見つけたい方は、ぜひfurimoをご利用ください。