成人式の振袖レンタルでは、ほとんどの場合着付けに必要な小物一式も合わせて貸してくれます。その中で、衿芯という白く細長いベルトのようなものがあります。

今回の記事では、振袖の着付けに必要な「衿芯」についてお話していきたいと思います。

振袖の衿芯とは

①着物の襟元を美しくみせる衿芯

着物の襟元がピンと立っているのはこの衿芯(えりしん)が中に入っているからです。
洋服の場合は衿を立てるだけでなく寝かす場合もありますが、着物の世界では衿はピンと立っている方がより美しく格の高い着付けとされています。

振袖は着物の中で最も格式の高い部類に入ります。振袖で衿芯がないと格好がつきませんので、衿芯は使う前提だということを覚えておきましょう。

②様々な素材の衿芯

素材はポリエチレン製で張りのあるもの、綸子(りんず)という厚い絹織物製のもの、ナイロン製でメッシュ素材のもの、綿100%のもの等があります。
また、厚いものと薄いものでは柔らかさが違い、厚いものはしっかりと衿が立つ一方で柔らかいものは首に当たっても痛くないという利点があります。

衿芯は肌着の中に差し込み(縫い付けるタイプもあります)着用するので、着物や振袖を着たあとではどれも見た目の違いはありません。
まずはスタンダードなポリエチレン製であまり高くないものを選んでみてはどうでしょうか。

衿芯はどこで買える?レンタルだとセットされてるの?

衿芯は呉服店や通販サイトなどで購入できます。価格は500~1000円前後です。

また、京都の老舗着物レンタル店や振袖専門店などの場合は振袖レンタルに必ず衿芯もセットでついてきます。なぜなら、これらの店が着物の着付けの重要性を知っているから。

しかし、写真館や格安価格のレンタルの場合は衿芯までついてくる店はあまりありません。振袖に帯、半襟、草履、帯揚げ、ショールなど見た目上ないとおかしいものは貸してくれますが、着付けに必要だけれど見た目では分からない衿芯は省かれてレンタルされます。

衿芯が必要ないのはこんな着物の場合

浴衣や普段着用の着物の場合は衿芯なしで着ることもあります。着物もラフなものから振袖のような格式のあるものまで種類がありますからね。衿芯の代わりに洗濯のりを使えば襟元もパリっと仕上がりますよ。

最近の洗濯のりはスプレータイプもあるそうです。便利ですね。
ちなみにポリエルテル製の洗える着物も販売されていますが、それらの襟元には衿芯は入っていません。

振袖の衿芯の付け方

振袖をレンタルや購入をするのであれば、元々衿芯は長襦袢という白い(違う色もアリ)着物の半襟の内側についています。
画像で女性の手が持っている部分ですね。

 

差し込むタイプの衿芯であれば、先が丸くなっている方を長襦袢の半襟の内側の片方の端から入れていきます。
しかし、画像では外側から入れていますね。

 

こんな風に、半襟の端は長襦袢側でも体側からでも入れられるように穴が開いています。
通説では内側から入れるべきとなっていますが、その場合は首回りに衿芯が当たり痛いという意見もあります。
細かいルールが多すぎて着物文化が廃れている部分もあるので、
是非そこが気にせず形が綺麗で着用しづらくないように衿芯をつけてください。

まとめ

振袖を着る時の着付け小物の一つ、衿芯についてお話させていただきました。
衿芯は通販でも安値で買えますが、紙(!)を使って手作りもできます。是非振袖ライフを楽しんでくださいね♪