振袖の下に着用する襦袢(じゅばん)には、肌着にあたる「肌襦袢(はだじゅばん)」とその上に着用する「長襦袢(ながじゅばん)」があります。

中に着るものとは言え、長襦袢は美しい着姿を見せるためにはとても大切です。 長襦袢を理解して、美しい振袖姿を実現しましょう。

振袖の長襦袢とは?

長襦袢とは、和装の下着のひとつです。素肌の上に直接着用する下着が「肌襦袢」、肌襦袢の上に着用するものが「長襦袢」です。長襦袢を着ると、着物と肌着の間に一枚、挟むことで歩きやすくなります。

また、着物が汚れないようにするという目的もあります。 袖口や裾などから襦袢が覗くため、襦袢にこだわるという着物好きの方も多いです。 そのため、色や柄などもたくさんあります。  

長襦袢はどこで売っている?

振袖を購入した呉服屋さんなどで購入することが出来ます。ネットで購入することも可能ですが、サイズに合ったものを選ぶことがポイントです。

振袖をレンタルする場合には、レンタルのセットに長襦袢が入っているという場合もあります。レンタルを選ぶ際には、長襦袢がセットかどうかを確認しておくようにしましょう。 長襦袢単体でレンタルしているケースもあるようです。  

長襦袢はどう選ぶ?

長襦袢には、お仕立て(オーダー)とお仕立て上がり(既成品)があります。オーダーの場合には、着る人のサイズに合った長襦袢になるため、着崩れしにくく着付けもしやすいという特徴があります。

一方、既成品の長襦袢は、比較的リーズナブルで自宅で洗うことができる素材の物が多いという特徴があります。既成品を購入する場合には、サイズをしっかりと確認しましょう。

(1)長襦袢のサイズの見方

長襦袢は「おはしょり」がないため、身長の約8割程度の長さが身丈の基準となります。
裄(ゆき)の肩幅は、振袖と同じ寸法、、袖幅・袖丈・袖付は2分控え(着物よりマイナス0.756cm、約0.7cm)となります。
身幅は、前と後ろで長さがことなり、前幅は8分~1寸(約3,5cm前後)、後幅は3分~5分(約1.5cm前後)着物よりプラスにしましょう。

既成品の場合、S・M・Lなど、洋服と同じような表示がされています。
Sサイズは身長が140cm~150cm、Mサイズは155cm~160cm、Lサイズは160cm~165cmが適用サイズの平均です。
身丈や裄などが表示されていることが一般的ですので、ご自身のサイズに合うものを選びましょう。
事前にご自身のサイズを確認しておくと、購入する時に迷わずに済みます。  

 

(2)振袖に合わせる長襦袢のポイント

長襦袢には種類がたくさんありますが、基本的には合わせる長襦袢のルールが決まっています。

フォーマルな場では白の長襦袢、セミフォーマルな場では、薄い色やぼかしの物、普段使いのお着物の場合には、色物や柄物などを着物のコーディネートとして楽しむことが出来ます。

振袖の下に着用する長襦袢は、フォーマルやセミフォーマルとは異なり、着物に合わせて選ぶことが出来ます。ただし、振袖は袖が長いため、軽い素材の長襦袢を着用すると、長襦袢の袖が飛び出てしまうことがあります。できるだけ良質な素材の長襦袢がオススメです。

長襦袢に半衿(はんえり)をつける場合

半衿は、着物の衿が汚れないようにするために長襦袢の衿部分に縫い付けて使います。

(1)半衿の付け方

物によっては簡単に付けられる工夫がされているものなどもありますが、基本的には自分で縫い付ける必要があります。

最近では動画などで半衿の付け方を確認することも出来ます。 レンタルの振袖の場合には、既に半衿が付いているケースもあるようです。こちらもレンタルの際に確認してみましょう。

また、着付けをお願いしている場合、「半衿を付けた状態で持ってきて下さい」と言われるので、事前にきちんと半衿を付けておきましょう。

 

(2)振袖に合わせた半衿を選ぶポイント

長襦袢どうように半衿も種類が豊富です。振袖の色や柄に合わせて半衿を選びましょう。

半衿ひとつで、振袖の表情を変えることが出来ます。  

長襦袢の洗濯とたたみ方

長襦袢は脱いだ後、一度、着物用のハンガーなどで吊るして湿気を取り除きます。
その後、自宅で洗える物は洗濯、洗えないものはクリーニングに出してから、畳んでしまいましょう。

(1)長襦袢の洗い方

ご自宅で洗える長襦袢の場合、半衿、長襦袢のどちらも洗える素材であれば付けたまま洗濯しても問題ありません。
半衿や長襦袢の素材が絹の場合には、半衿を外して、それぞれ優しく手洗いします。
かるく脱水して、半乾きもしくは濡れた状態でアイロンをかけましょう。
クリーニングに出す場合には、半衿をつけたままでも問題ありません。

 

(2)長襦袢のたたみ方

まとめ

振袖を着る着姿の美しさには長襦袢選びがポイントとなります。せっかく綺麗な振袖を着るならば、着姿の美しさも追求したいですよね。

振袖を選ぶ際に、身体に合った長襦袢も選んでおきましょう。既成品のサイズが微妙に合わない場合には、お直ししてもらうことも可能です。