レトロ振袖という振袖が流行っています。通常の振袖と比べ、黄色や青などのハッキリした原色の生地に大きな花模様やストライプなどの幾何学模様が特徴的です。

しかし、同時に「アンティーク振袖」という言葉もネット上では目にすることもあるかもしれません。レトロ振袖との違いはあるのでしょうか?

今回の記事では、アンティーク振袖についてご紹介しましょう。

振袖のアンティークとは

アンティーク着物という言葉があります。そもそもアンティークとは100年経過した、という意味を持ちます。着物だけでなく、建物や洋服の世界でもアンティークはありますよね。

アンティーク着物の場合、昭和初期よりも少し前に作られた着物で、大正ロマンや昭和モダンといわれる独特の幾何学模様や花柄が特徴です。

では、アンティーク振袖とは何か? アンティーク振袖とはアンティーク着物の振袖版です。しかし、実際に昭和初期より前に作られ状態のよいアンティーク振袖を探すのは非常に困難です。

振袖の長期の保管は風通しがよく日が当たらない場所が理想的です。古い時代の多くの振袖は、色の変色や虫食いという被害にあたる場合があります。そのため、振袖店ではレトロ振袖と同じような感覚でアンティーク振袖という言葉を使っている場合があります。

中古と何が違うの?

アンティークと似たような言葉に、「中古」という言葉があります。何となく、アンティークだとオシャレで、中古は古いものというイメージがありますがそうではありません。

着物や振袖を探す際に、アンティークか中古かを判断する基準があります。具体的には、以下の3つをカバーするものがアンティーク着物(振袖)と言えるでしょう。

  1. 昭和初期より前に作られたもの
  2. 状態がよいもの
  3. 独特の幾何学模様や花模様など、アールデコを意識したもの

アールデコって何?

アールデコとは、1910~1940年代頃にヨーロッパやアメリカのニューヨークで流行ったデザインです。直線的、そして幾何学模様をモチーフとしたそのデザインは、最初は建築デザインのブームとして一世を風靡しました。

1920年頃にはファッション界にも影響が及び、日本のモガ・モボと呼ばれる大正~昭和初期の最先端のファッションに身を包む若者たちに支持を得ました。

新品振袖のレトロ柄とは違う

アンティーク振袖は本来、昭和初期前に作られた振袖であるということが分かりました。そのため、厳密に言うと現在販売されている新作振袖のレトロ柄はアンティーク振袖とは言いません。

しかしながら、アンティーク振袖には現代の振袖にはない独特の魅力があります。洋服の世界でもファッションが好きな方にはアンティークを好む方がたくさんいます。大量生産にはない1点ものの価値、そして着物の花柄という王道を打ち破るフレッシュな幾何学模様(チェックなど)。状態さえよければ、アンティーク振袖は現代の女子にも魅力的な振袖になることでしょう。

振袖のアンティークはこんな人にオススメ!

人と同じ振袖はイヤ!個性的な振袖にしたい。こんな女性にお勧めなのが、アンティーク振袖です。しかし、アンティーク振袖はそもそも流通しているものが非常に少なく、状態のよいものはほとんど目にしません。

ところが、アンティークとまではいかなくとも、昭和20~50年代のリサイクル振袖なら手に着物ショップで手に入れられます!  成人式にリサイクル振袖を着る人はあまりいないと思われるかもしれませんが、ネット通販で5万円前後から売られている振袖はリサイクルの場合が多いのです。

まとめ

今回はアンティーク振袖、レトロ振袖の違いについてご紹介させていただきました。

アンティーク振袖を購入する際は、状態やサイズなどに気を付けて選んでくださいね♪